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| 桐元税理士: 今日は、商標権を中心に特許について、弁理士の宮崎先生にお話を伺いたいと思います。 よろしくお願いします。 |
| 宮崎弁理士: こちらこそよろしくお願いします。 |
| 桐元税理士: そもそも商標権とはどんな権利なのですか? |
桐元税理士: |
| 宮崎弁理士: 選択物とは、既存のものを選択してということです。 例えば、言葉と言葉を合成して商標を作っても、それは、単純に組み合わせただけですよね。 ロゴにしても同じです。 色やデザインを創意工夫したといっても、それは既存のものを組み合わせて作っている以上、選択物といえます。 |
| 桐元税理士: なるほど。 |
| 宮崎弁理士: そして、商標自体に価値がないという意味をもう少し説明すると、特定の商標のもとで、商品やサービスを提供し続けたことで、得られる価値、つまりお客さまからの信用なのです。 ですから、商標権を取得したからといって自動的に価値が生まれるものではなく、企業努力によって生まれるという意味で「商標自体に価値がない」んです。 |
桐元税理士: |
宮崎弁理士:そうなんです。 それを「品質保証機能」と専門的には言います。 飲食店をイメージして頂くとわかりやすいと思います。例えば、焼肉を食べに行こうと思ったとき、特定の店、お気に入りのお店を思い出しますよね。 それは、そこで食べた経験があって、美味しいと連想するからなのです。 また、雑誌を見てお店を探す場合でも、この雑誌が推薦しているお店なら問題ないと考えますよね。 それは、雑誌の信用が機能しているのです。 |
| 桐元税理士: そう考えると、ブランドを確立するためにはお客さまの期待を裏切らないことが、企業には求められるんですね。 |
| 宮崎弁理士: そうです。 企業が手を抜いて、お客さまの期待を裏切り続けると悪いイメージがつきます。 悪いイメージを連想させる力もブランドにはあるんですよ。 |
| 桐元税理士: なるほど。 |
| 宮崎弁理士: 例えば、ラブホテル・シャネル事件というのが以前ありました。 消費者の方は、シャネルがラブホテルを経営することなどありえないと思うのでしょうが、シャネルの持つブランドの価値・イメージを損なう恐れがあるので、裁判所が不正競争行為を差し止めるという意味で、ラブホテルの名称を変えなさいという事件がありました。 |
| 桐元税理士: ところで、商標権を取得するメリットはなんでしょうか? |
| 宮崎弁理士: 目に見える、実感できるメリットはないんです。むしろ持っていないことのデメリットの方が大きいのです。 《メリット》 1. 安心を買える。 2. 初期の段階から商標権侵害を訴えられない。つまり、他の商標権者に、商品・サービスの提供を妨げられない。 3. 商標権を使ってブランド作りができる。よい意味で先入観を与えられます。 |
| 桐元税理士: 良い先入観を持ってもらえることで、無駄な説明が省けそうですね。 |
宮崎弁理士:その通りです。 さらに、同業他社との価格競争にも巻き込まれなくなります。 《デメリット》 新商品やサービスを開発すると売れて欲しいですよね。 だから、売れそうな名前、例えば、語感を考えたり、おしゃれな言葉を商品やサービスに命名したりすると思います。 ところが、商標権を取得せず(もしくは誰かが先に取得していないのか調べずに)商品・サービスを販売しだしたとします。 皮肉なことに、商品・サービスが売れれば売れるほど、商標権侵害を訴えられるリスクが高くなります。 もし、商標権侵害を訴えられると 1. 商品の回収 2. 名称の変更 3. 損害賠償 売り上げの一時的な下落はマシな方で、下手をすると取引停止になってしまう恐れがあります。 最悪の場合、社風や社長の人格まで疑いかねられません。 さらに、事後処理のために本来前向きに事業にかけるべき社長・社員さんの時間を後ろ向きの仕事・事後処理のために対応しないといけなくなります。 |
| 桐元税理士: それは、大きな機会損失になりますね。 |
宮崎弁理士:名称を変更するとお客さまに不信感を与えることになります。 ここでは言えないですが、後ろめたいことをやっている企業は、よく社名や屋号を変更するでしょ。 これは実際にあった事例なのですが、大手量販店に、消耗品を販売していた会社で起こった事件なのですが、製造している会社ではなく、販売していた量販店に商標権者からクレームがあり、製造・販売していた会社が大きな損害を受けたことがあります。 もちろん量販店も販売するチャンスを失っただけでなく、お客さまから商品がないことに対するクレームもあったので、商標権を侵害していた会社が量販店の代わりにお詫び状を書いていました。 |
| 桐元税理士: なぜ、商標権者は、量販店にクレームを言ったのですか?製造会社ではなく。 |
| 宮崎弁理士: 商標権を侵害している商品を販売することも禁じられているからです。 コンプライアンスが求められているこの時代では、大手量販店では、取引を始める時に、商標権を取得しているのか確認します。 取引するための条件になってきています。 |
| 桐元税理士: そうなんですか。大企業と取引するために、ISOを取得しないといけないのと似ていますね。 ところで、商標権を判断するのは、同一か類似とあるそうなのですが、どういう基準なのか教えてください。 |
| 宮崎弁理士: はい。商標(マーク)同士の類似を判断する基準として、まず外観つまり見た目ですね。 次に称呼音です。 最後に観念つまり意味の3つの基準で判断します。 さらに、商品同士又はサービス同士の類似を判断する際に、商品・サービスのカテゴリーが45分類あります。 1〜34分類が商品、動産ですね。 それから35〜45分類が役務、サービスとなっております。 |
| 桐元税理士: カテゴリーがそんなにあるのですか! |
| 宮崎弁理士: はい、あります。 ですから、我々は、お客さまの相談に乗らせて頂きながら、将来の可能性とコストを考えて、登録する分類を決めていきます。 例えば、ボードゲームを開発した会社があるとします。 ボードゲームだけのカテゴリーでなく、将来は、服や運動用具、アクセサリーなど他のカテゴリーへの販売展開を考えている場合には、該当するカテゴリーの権利を守る必要性が出てきます。 |
宮崎弁理士: |
| 桐元税理士: 本日は、本当に貴重なお話ありがとうございました。 |
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桐元税理士:
対談を終えて…。